無限の下降
idea*idea http://www.ideaxidea.com/ の記事「ダンス!ダンス!ダンス!」 http://www.ideaxidea.com/archives/2005/07/post_26.html で知ったフラッシュ. http://www.izpitera.ru/lj/tetka.swf (追記: 2005年11月1日現在,上記フラッシュはリンク切れとなっているようです.Google で探せばいろいろとアーカイブがあるようで,たとえば http://soap.chattablogs.com/archives/flash/tetka.swf で見つかるようです) 女性が,球体の障害物にぶつかりながら,重力に従って落ちていく.結構リアルである.こういった人体の動きは簡単にシミュレートできるものなのか. よくできてるものだと感心しながら見ていたが,しばらくするとくらくらしてきた.一人の人間が,なすすべもなく永遠に落ちていくのである.それはあたかも,あくまでも無力な一人の人間に与えられた罰のようにさえ思われてしまう.落ちていく,永久に... 小さいころ,「板子一枚下は地獄」という諺を初めて知ったときに感じた怖さに通じるものがある.自分の下にある底なしの暗闇.恐怖の最も根源的な形かもしれない. いかんいかん考えすぎだ.ともかく,これを見て,金子光晴の有名な詩「落下傘」を思い出した. (中略) 月や虹の映る天体を ながれるパラソルの なんといふたよりなさだ. だが,どこへゆくのだ. どこへゆきつくのだ. おちこんでゆくこの速さは なにごとだ. なんのあやまちだ. (中略) ゆらりゆらりとおちてゆきながら 双(ふた)つの足うらをすりあはせて,わたしは祈る. 「神さま. どうぞ.まちがひなく,ふるさとの楽土につきますやうに. 風のまにまに,海上にふきながされてゆきませんやうに. 足のしたが,刹那にかききえる夢であつたりしませんやうに. 万一,地球の引力にそつぽむかれて,落ちても,落ちても,着くところがないやうな, 悲しいことになりませんやうに.」