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ブログが終わりつつある時代に

もう旧聞に属するかもしれないが、ブログのエントリにしておきたい。 今年の2月28日に、Yahoo!ブログの終了がアナウンスされた: Yahoo!ブログ サービス終了のお知らせ https://promo-blog.yahoo.co.jp/close/index.html Yahoo! Geocities も、この3月末で終わる: サービス終了のお知らせ - Yahoo!ジオシティーズ https://info-geocities.yahoo.co.jp/close/ これらのアナウンスを読むと、いろいろな思いが去来する。ブログは冬の時代と言われて久しいが、最早それも過ぎて、いよいよブログも終わりのフェーズに入ったということだろうか。長かった平成もこの四月で終わることを思えば、ブログが終わりつつあるという感慨もますます強くなる。 実際、note などのごく少ない例外を除けば、ブログを書く人は本当に減った(note は、古い意味でのブログとはまた違うような気がする。それはむしろいいことなのかもしれないが)。 昨今の状況を見てみると、本ブログをホストしているウェブリブログも、いつ閉鎖するか分からない。しかし、ウェブリログは、むしろよく頑張ってサービスを提供してくれたと言えるのではないか。仮に今サービスが終了するとしても、感謝の念しかない。 こうした、ブログを取り巻く状況に思いを巡らせると、私も、ブログに対する姿勢を変えなければと思うようになってきた。より具体的には、なりふり構っていられない、書きたいことはなんでも書かねばという、いわば焦りにも似たような思いである。現在は、ウェブリブログに限らず、どんなブログサービスも、いつ終了してもおかしくないというような状況である。今書かなければ、その機会は失われてしまうかもしれない。 たとえば、私は、ブログに書かないと決めたテーマがある。ネガティブなこと、より広く言えば、人間の闇に関することなどだ。これらは、人間というものの一つの真実であり、文学のテーマでもある。しかし、こうした内容については、このブログで触れることを意図的に避けてきた。それは、誤解を招くのを恐れず言えば、私がこのブログで扱っていきたいテーマとはそぐわないからである(これついてはたびたび書いてきたが、たとえば「 ブログ開設12周年と,今後ブログに書いていきたいこと 」...

人生と愛について(雑感)

我ながら,気恥ずかしいタイトルになってしまった.まあ,ブログを書くということは恥をかくということでもあるから,開き直ってエントリを書いてみたい. 11月,12月と非常に忙しいのだが,相変わらず facebook はぼちぼちと続けている.特に,高校のときの同級生のグループでのやりとりはとても楽しい.そこでのやりとりの中で,友人が夫婦喧嘩をして,女房も分かってくれないといった愚痴をこぼしていて,思わず苦笑したことがあった.そして,いろいろと考えているうちに,今年起こったさまざまなことについて,思いをはせた.そのとき思ったことが,今回のエントリの動機である. 人と人はどれくらい分かりあえるものだろうか.この問いによって,我々は,自分自身が持つ孤独というものに向き合わざるを得ない.このことは古来さまざまな文学のテーマとなったが,私がその孤独ということについてときどき思い出すのは,太宰治の「駈込み訴え」という小説( 本ブログのエントリ )の次の一節である. あの人(注: イエスのこと)が,春の海辺をぶらぶら歩きながら,ふと,私(注: イスカリオテのユダのこと)の名を呼び,「おまえにも,お世話になるね.おまえの寂しさは,分かっている.けれども,そんなにいつも不機嫌な顔をしていてはいけない.寂しいときに,寂しそうな面容(おももち)をするのは,それは偽善者のすることなのだ.寂しさを人にわかって貰おうとして,ことさらに顔色を変えて見せているだけなのだ.まことに神を信じているならば,おまえは,寂しいときでも素知らぬふりして顔を綺麗に洗い,頭に膏(あぶら)を塗り,微笑んでいるがよい.わからないかね.寂しさを,人に分かって貰わなくても,どこか眼に見えないところにいるお前の誠の父だけが,わかっていて下さったなら,それでよいではないか.そうではないかね.寂しさは,誰にだって在るのだよ」そうおっしゃってくれて,私はそれを聞いてなぜだか声出して泣きたくなり,いいえ,私は天の父にわかって戴かなくても,また世間の者に知られなくても,ただ,あなたお一人さえ,おわかりになっていて下さったら,それでもうよいのです.私はあなたを愛しています.ほかの弟子たちが,どんなに深くあなたを愛していたって,それとは較べものにならないほどに愛しています.誰よりも愛しています. 聖書の有名なエピソードを上記のように解釈しなお...