投稿

2月, 2007の投稿を表示しています

世界で最も幸福な国々

年度末で忙しく,ゆっくりとブログを書く時間がとれない.だからというわけではないが,今回は, Guy Kawasaki 氏のブログ ( How to Change the World ) に興味深いエントリ ( The World Map of Happiness ) があったので,それについて書いてみたい.なお,このエントリは,以下のページを参照している: Psychologist Produces The First-ever 'World Map Of Happiness' http://www.sciencedaily.com/releases/2006/11/061113093726.htm この Science Daily のページによれば,レスター大学の社会心理学者 Adrian White が,UNESCO などのデータを調査して,世界の国々の幸福度を順位づけした.それによれば,世界で最も幸福な20カ国は以下のとおりということらしい: デンマーク スイス オーストリア アイスランド バハマ フィンランド スウェーデン ブータン ブルネイ カナダ アイルランド ルクセンブルグ コスタリカ マルタ オランダ アンティグア・バーブーダ マレーシア ニュージーランド ノルウェー セイシェル ちなみに,リストアップされていない主要国については,アメリカ (23位),ドイツ (35位),イギリス (41位),フランス (62位),中国 (82位),日本 (90位),インド (125位),ロシア (167位) ということである.外務省のページ「 よくある質問集: その他 」の,「 質問:世界には何か国の国がありますか 」によれば,日本が承認している国の数は191,つまり,日本を含めると世界には192カ国あるということであるから,日本の幸福度は平均よりも少しよい程度であるとのことだ.意外に思える結果ではある. 上記のレポートでは,さまざまな考察がなされているようだが,その中で興味深いものをいくつかあげてみる: 国の幸福度は,その国の健康レベルに最も強い相関があり (相関係数 0.62),ついで,財産 (相関係数 0.52),教育の供給(普及) (相関係数 0.51) の順である.また,これらは相互依存関係にある. 資本主義は人を不幸にすると言われること

Amazon Mechanical Turk でジム・グレイ (Jim Gray) を捜索

先日,データベースシステムの第一人者ジム・グレイ (Jim Gray)  が行方不明になったというエントリを書いた( ジム・グレイ (Jim Gray) が行方不明に ).この件について, TechCrunch で,以下のような記事が掲載された: Help Find Jim Gray With Web 2.0 http://www.techcrunch.com/2007/02/03/help-find-jim-gray-with-web-20/ この記事によれば,Amazon  の Mechanical Turk  を用いて,グレイのボートの画像を探すプロジェクトが始まったという.なお,Amazon Mechanical Turk については,以下のページが詳しい: What is Mechanical Turk? http://www.mturk.com/mturk/help?helpPage=whatis 人力で解決--アマゾン、ソフトウェアの苦手作業を代行するサービスを開始 http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20090599,00.htm 単純にいうと,Mechanical Turk とは,コンピュータにとっては困難だが,人間であれば容易に行えるような単純作業を,多くの人にやってもらうサービスを提供するものである.このようなタスクの例としては,写真の中のある物体を同定したり,ある建物の複数の写真の中から最もよいものを選んだりするようなものが挙げられている.そして,そのような作業を行った人が,所定の報酬を得るという. ここで話をもとに戻すと,Amazon は,グレイを捜索する  Mechanical Turk を立ち上げたそうである: Jim Gray Missing: Help find him by searching satellite imagery http://www.mturk.com/mturk/preview?groupId=J0XZ58STDWJZ5QY4F9M0 具体的には,グレイのボートが遭難した海域の衛星画像の中から,そのボートの痕跡を探すというものである.画像の中で,ボートは,8ピクセル×3ピクセル程度の大きさになるという.海面の反射があったり,また,現場の海域に雲がか

ジム・グレイ (Jim Gray) が行方不明に

ジム・グレイ (James N. "Jim" Gray) は,データベースシステムの第一人者・研究者で,その貢献により1998年にチューリング賞を受賞した.ところが,Boing Boing のエントリ「 Database pioneer Jim Gray missing at sea 」によれば,このグレイが行方不明になったそうである.オリジナルの記事は以下のとおり: Vast search off coast for data wizard http://sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2007/01/31/MISSING.TMP 英語版の Wikipedia では,早くもこのことを記載している: James N. Gray http://en.wikipedia.org/wiki/James_N._Gray 上記の記事等によれば,グレイは,その母親の遺灰をまくために Farallon Islands に一人でボートで航海に出たところ,行方不明になったとのことである. 計算機科学は比較的新しい分野で,黎明期の偉大な研究者が存命であることが多いが,最近ぽつぽつと訃報を聞くようになった.チューリング賞を受賞したことでも分かるように,ジム・グレイはデータベースの分野では偉大な存在である.私も学生の頃,彼の論文を読んだことがある.なんとか見つかって欲しいものだ. 追記 (2014/3/12): 確認が遅れて大変申し訳ないのですが,Wikipedia のエントリ: Jim Gray (computer scientist)  によれば, Having been missing for five years as of May 16, 2012, Gray is legally assumed to have died at sea.[4][25] であるということです. 関連エントリ: John Backus (ジョン・バッカス)死去 Amazon Mechanical Turk でジム・グレイ (Jim Gray) を捜索