風邪で寝込んだ

金曜の夜から寒気がして,土日は風邪でずっと寝込んでいた.ようやく回復してきたが...


熱でうなされるようで,本を読むなどの頭を使うことができないが,いろいろな思い(妄想?)が頭に浮かぶ.漱石の「行人」で,一郎の依頼で二郎が嫂を連れ出すところがある.その嫂の科白で,以下のようなものがある.


「あら本当よ二郎さん.妾(あたし)死ぬなら首を縊ったり咽喉を突いたり,そんな小刀細工をするのは嫌(きらい)よ.大水に攫われるとか,雷火に打たれるとか,猛烈で一息な死に方がしたいんですもの」


この科白により,読者には,嫂の性格が印象づけられる.この科白が,熱が出た私の頭の中をめぐる.


とはいえ,死にたいかといえばそうではない.


死ぬまでに見ておくべき50の芸術作品 | p o p * p o p
http://www.popxpop.com/archives/2006/12/piero_dell.html


世の中には,まだ見たことのない美しいもの,経験したことがない素晴しいものがある.やりたいことも,年を経るにつれ,どんどん多くなってくるようだ.そう思うと,死にたくないような思いがしてくる.生への執着というものだろうか.漠然とそういう思いがする.40,50歳と年を取っていくと,そういう思いが強くなってくるのだろうか.それはそれで怖ろしい.


まだ熱があるので,まとまりがないが,とにかくそういうことを考えた.



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