ロマンチックな話3題

年度末ということもあるが,忙しくて1月はブログを更新することができなかった.これが今年最初のエントリということになるので,おめでたい話題をということで(?),昨年末から1月にかけて知った,ロマンチックな話を3つここに書いておきたい.



ケイト・ミドルトンさんのためのウェディングドレス


これは某日記で既に書いた話であるけれども,せっかくなのでこのブログにも記録しておきたい.


イギリス王室のウィリアム王子と,ケイト・ミドルトンさんが今年の4月29日に結婚することが決まったようだ.これに関し,29 Famous Fashion Designers Sketch Wedding Gowns For Kate Middleton という記事で,有名ファッションデザイナーがケイトさんのウェディングドレスをスケッチしたものが紹介されていた.


上記記事には,他にも素敵なウエディングドレスのデザインがあるので,ぜひご覧ください.



飛行機の中でプロポーズ


以下の YouTube の映像は,「世界一ロマンチックな映像その2」という記事で知った.




バルセロナに向かうある飛行機の中で,フライトアテンダントのベラ・シルバさんは,普段通りに仕事をしている.すると突然,彼女の恋人がマイクを持ってプロポーズを始めた.もともとの言葉はポルトガル語らしくよく分からないので,通訳された英語のプロポーズの言葉をここに書き記す.


"Vera Silva, there are two reasons for my presence on this flight.  The first is because I love you a lot and because I want to ask you a question.  Will you marry me?"


(a few seconds later) "... Si (yes)"


(拙訳)

「ベラ・シルバ,僕がこの飛行機に乗ったのには二つの理由があるんだ.一つ目は,僕が君のことをとても愛しているから,二つ目は,君に聞きたいことがあるからなんだ.僕と結婚してくれるかい?」


(数秒後)...「はい」


なんという破壊力のある動画だろうか.べたな展開ではあるけれども,他人のロマンティックな話というのはとてもいいものだ.



テルエルの恋人たち


これは,Wikipedia の記事 Lovers of Teruel で知った.日本語のウィキペディアにはテルエルのエントリはあるが,テルエルの恋人たちのエントリはないようなので,ここに簡単に紹介しておきたい.


テルエルは,スペインの都市である.13世紀ごろ,テルエルでは,裕福で町の実力者であるセグラ家と,以前は裕福であったが没落したマルシラ家があった.セグラ家の娘イザベルとマルシラ家の息子ディエゴは愛し合っていたが,イザベルの父親は,イザベルと貧しいディエゴの結婚を認めなかった.それでも,イザベルの父親は,ディエゴに,5年の間テルエルを出て富を築くことができたなら,二人の結婚を認めると約束した.ディエゴもそれを了解し,テルエルを離れた.


それから5年の間,イザベルの父親は,自分の勧める男と結婚するよう,イザベルをせかす.そして,その5年も終わりに近づいたある日,イザベルはとうとうある男と結婚することになった.ところが,その結婚式の日,ディエゴは莫大な富を築いてテルエルに帰ってきたのである.


その結婚式の夜,ディエゴは,イザベルとその夫の寝室に忍び込み,イザベルに懇願する.

「僕はもう死ぬ.最後にキスをしてくれないか」

だが,イザベルはその願いを拒む.

「私は夫を裏切ることはできません.私のことは忘れて,どうか他に愛する人を見つけてください.あなたとの愛を神が喜ばないのなら,やはり私もあなたの愛を受け入れることができないのです」

あきらめきれないディエゴは,キスをしてくれるよう再び懇願した.しかし,イザベルはその願いを再度拒む.ディエゴは,ため息とともに,イザベルの足元で死んだのだった.


その次の日に,教会でディエゴの弔いの式があった.そのとき,ウェディングドレスで着飾ったイザベルが現れた.イザベルは,ディエゴの亡骸に向かって進み,彼にキスをした.その後,イザベルは,その亡骸にひれ伏すようにして息を引き取ったのである.


この悲恋の物語は実話と言われているが,現在我々が知っている様々な物語の原型が既にここにあるかのような,ドラマチックで切ない物語である.特に,シェイクスピアによるロミオとジュリエットとのアナロジーはすぐに思い浮かぶ.だが,シェイクスピアがこの話を参考にしたことはないようである(参照: ロミオとジュリエット - Wikipedia).


ディエゴとイザベルの遺骸は,サン・ペドロ教会に安置されている.その棺の上には,二人をかたどった大理石の像がある.以下がその写真である.


サン・ペドロ教会にあるイザベルとディエゴの墓(Wikipediaより)


テルエルは,さまざまな国の支配に翻弄された過酷な歴史を持つ町であるが,同時に,世界遺産にも登録されたムデハル様式の教会や塔を持つ,美しい町とのことである.スペインにまた行く機会があれば,ぜひ一度訪れてみたい.



コメント

このブログの人気の投稿

LaTeX メモ - 数式における「|」 (縦線, vertical bar)の扱い(その2)

人間はどんなところでも,どんな時でも何歳からでも学ぶことができる

ブログを始めるにあたって - 継続は力

へんろう宿 (井伏鱒二)

イエスは地面に何を書いていたか