Amazon Mechanical Turk でジム・グレイ (Jim Gray) を捜索

先日,データベースシステムの第一人者ジム・グレイ (Jim Gray)  が行方不明になったというエントリを書いた(ジム・グレイ (Jim Gray) が行方不明に).この件について,TechCrunchで,以下のような記事が掲載された:


Help Find Jim Gray With Web 2.0
http://www.techcrunch.com/2007/02/03/help-find-jim-gray-with-web-20/


この記事によれば,Amazon  の Mechanical Turk を用いて,グレイのボートの画像を探すプロジェクトが始まったという.なお,Amazon Mechanical Turk については,以下のページが詳しい:


What is Mechanical Turk?
http://www.mturk.com/mturk/help?helpPage=whatis


人力で解決--アマゾン、ソフトウェアの苦手作業を代行するサービスを開始
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20090599,00.htm


単純にいうと,Mechanical Turk とは,コンピュータにとっては困難だが,人間であれば容易に行えるような単純作業を,多くの人にやってもらうサービスを提供するものである.このようなタスクの例としては,写真の中のある物体を同定したり,ある建物の複数の写真の中から最もよいものを選んだりするようなものが挙げられている.そして,そのような作業を行った人が,所定の報酬を得るという.


ここで話をもとに戻すと,Amazon は,グレイを捜索する  Mechanical Turk を立ち上げたそうである:


Jim Gray Missing: Help find him by searching satellite imagery
http://www.mturk.com/mturk/preview?groupId=J0XZ58STDWJZ5QY4F9M0


具体的には,グレイのボートが遭難した海域の衛星画像の中から,そのボートの痕跡を探すというものである.画像の中で,ボートは,8ピクセル×3ピクセル程度の大きさになるという.海面の反射があったり,また,現場の海域に雲がかかっていたりして,コンピュータでやるには困難な作業と思われる.現在,このタスクには多くの人が参加しつつあるという.


Amazon Mechanical Turk が発表されたのは2005年で,当時このニュースを聞いたときは,どのように使うのか,あるいは使えるのか,ぴんと来なかったのだが,今回のケースはまさに Mechanical Turk が有効な状況であるのかもしれない.このプロジェクトがうまくいくことを願うばかりである.



コメント

このブログの人気の投稿

LaTeX メモ - 数式における「|」 (縦線, vertical bar)の扱い(その2)

人間はどんなところでも,どんな時でも何歳からでも学ぶことができる

ブログを始めるにあたって - 継続は力

へんろう宿 (井伏鱒二)

イエスは地面に何を書いていたか