世界で最も幸福な国々

年度末で忙しく,ゆっくりとブログを書く時間がとれない.だからというわけではないが,今回は, Guy Kawasaki 氏のブログ (How to Change the World) に興味深いエントリ (The World Map of Happiness) があったので,それについて書いてみたい.なお,このエントリは,以下のページを参照している:


Psychologist Produces The First-ever 'World Map Of Happiness'
http://www.sciencedaily.com/releases/2006/11/061113093726.htm


この Science Daily のページによれば,レスター大学の社会心理学者 Adrian White が,UNESCO などのデータを調査して,世界の国々の幸福度を順位づけした.それによれば,世界で最も幸福な20カ国は以下のとおりということらしい:


  1. デンマーク
  2. スイス
  3. オーストリア
  4. アイスランド
  5. バハマ
  6. フィンランド
  7. スウェーデン
  8. ブータン
  9. ブルネイ
  10. カナダ
  11. アイルランド
  12. ルクセンブルグ
  13. コスタリカ
  14. マルタ
  15. オランダ
  16. アンティグア・バーブーダ
  17. マレーシア
  18. ニュージーランド
  19. ノルウェー
  20. セイシェル


ちなみに,リストアップされていない主要国については,アメリカ (23位),ドイツ (35位),イギリス (41位),フランス (62位),中国 (82位),日本 (90位),インド (125位),ロシア (167位) ということである.外務省のページ「よくある質問集: その他」の,「質問:世界には何か国の国がありますか」によれば,日本が承認している国の数は191,つまり,日本を含めると世界には192カ国あるということであるから,日本の幸福度は平均よりも少しよい程度であるとのことだ.意外に思える結果ではある.


上記のレポートでは,さまざまな考察がなされているようだが,その中で興味深いものをいくつかあげてみる:


  • 国の幸福度は,その国の健康レベルに最も強い相関があり (相関係数 0.62),ついで,財産 (相関係数 0.52),教育の供給(普及) (相関係数 0.51) の順である.また,これらは相互依存関係にある.


  • 資本主義は人を不幸にすると言われることがあるが,医療制度,GDP,教育の受けやすさなどが高いレベルにある国の人々ほど,幸福であると答えることが多い.</li>


  • 中国 (82位),日本 (90位),インド (125位) など,(幸福であると思われることが多い) アジアの国々の幸福度が意外に低い.


  • 人口の多い国 (中国 (82位),インド (125位),ロシア (167位)) の幸福度が低い.人口の多さは,国の幸福度と関連がないようだ.


こういった調査には似たようなものがいろいろあり,賛否両論あるのは言うまでもない.そもそも,幸福であるかどうかは全く個人的な問題であろう.しかしながら,一方で,人の幸福というのは,その人が置かれた状況に強く影響されることは多いだろう.そういう意味では,上記のような調査研究は,一面の真実を述べているところはあるのかもしれない.いずれにせよ,いろいろと考えさせられる調査である.




追記 2008年9月2日

2008年には以下のような記事がありました:


世界の幸福度は向上~国別ランキング調査
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080901/169377/



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