心に残る言葉 - 「臨床教育学入門」(河合隼雄)から

今日知った,心に残る言葉を簡単にメモしておきたい. 河合隼雄先生の「臨床教育学入門」 (岩波書店)からの引用である.


筆者(註: 河合のこと)は,思春期の子どもに対してはここからは絶対だめだという「壁」が要ると言っている.壁にぶち当たって,子どもは大人になっていく.壁がぐらついたりすると,子どもの不安は増大するばかりである.と言っても,その壁 は血も涙もある人間がなっているから意味がある.無機物の「壁」では教育にはならない.


このような状況は,親子関係のみならず,上司部下の関係,師弟関係などにも当てはまることが多いだろう.


私の親は,今から思えば,十分にこのような「壁 としての役割を果たしてくれたように思う.私も今の年齢になってようやく分かる気がするのであるが,しみじみ有難いと感じる.


だが,自分のことを翻ってみれば,仕事においてもプライベートにおいても,私がこのような壁の役割を果たしているとはとても思えないのである.そう考えると,忸怩たる思いを抱かずにはいられない.そもそも自分が壁のような存在になれるかどうかは分からないが,少なくとも,このような忸怩たる思いをいつまでも忘れない自分でありたいとは思う.



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