Google に関する雑感

既に過去の話題になってしまったが,10日ほど前,ウェブリブログが Google 検索に引っかからないような状態だったようだ.今は復旧した模様である.この件に関するウェブリブログの運営のアナウンスは,以下のとおりである.ただ,原因についてはよく分からない.


(2/7)Googleの検索結果に表示されない★復旧しました★
http://info.at.webry.info/200802/article_4.html


私はまめにアクセスログをチェックする方ではないので気付かなかったのだが,確かに2月4日あたりから数日間アクセスが明らかに減っていた.通常の2/3程度くらいのページビューになっていたようだ.


ざっとウェブを見た限りでは,この件はちょっとした話題になっていたようで,上記の運営ページのトラックバックやコメントを見るだけでも,ユーザの皆さんの混乱の様子がうかがい知れる.Google 検索が現在のウェブに如何に大きな影響を及ぼすかということを,改めて実感させられる.


そこで,ちょっと気になったので,現在の検索エンジン各社のシェアについて調べてみた.おそらく,最も新しい調査は下記のものだろう.


[PDF] Nielsen Online Announces December U.S. Search Share Rankings
http://www.nielsen-netratings.com/pr/pr_080118.pdf


このレポートは,Nielsen が今年の1月18日に発表したもので,2007年12月のアメリカの検索エンジン各社のシェアに関する調査である.その一部を抜き書きしてみると,以下のようになる.


検索エンジン検索回数 (単位: 1000回)シェア
1Google Search4,062,53656.30%
2Yahoo! Search1,273,68817.70%
3MSN Live Search995,89913.80%


もちろん,この調査の正確さについては議論があるかもしれないが,少なくとも傾向はつかめるだろう.ただし,日本におけるシェアは異なっているのではないかと思われる.


上記の表で明らかなように,Google, Yahoo!, MSN Live の上位3社でほぼ90%近いシェアが占められている.その中でも,Google は,シェアが 56.3 %,検索回数が1か月で41億回というから突出した存在である.考えてみれば,検索エンジンはもはや社会基盤となっているが,そのような生命線が数社の営利企業に独占されているというのは,様々な意味で危うい状況といえるのかもしれない.


いずれにしても,Google の現在の位置にとってかわる検索エンジンが現れるのはそれほど簡単なことではないだろう.ウェブ検索関連の技術は多岐に渡っており,Google には既にかなりのアドバンテージがあると考えられる.また,Google のシステムはおそらく世界有数の大規模なものであり (Wikipedia の Google platform の記事によれば,サーバだけでも45万台以上になるという),それを維持する技術力・資金力も相当のものになるだろう.そもそも,現在ではすでに Google は検索技術にとどまらない,多種多様なサービスを提供する企業になっている.


もっとも,現状でも Google が厳しい競争にさらされているということはいうまでもない.最近のアジア関連でも,以下のような記事があった:


ソフトバンク孫社長、グーグルに宣戦布告--「アジアとケータイを制した者が勝つ」
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20366864,00.htm


グーグル、ヤフーの存在は「鉄壁ではない」--最後発で日本の検索市場に挑む百度
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20367169,00.htm


近い将来,現在の勢力図が塗り替えられるようなサービスが出現することはあるのだろうか.そんな状況や,これから現われるであろう革新的なサービスなどについてあれこれと妄想するのはとても楽しく,今のような時代に生きていることを幸せだと感じるのである.




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