Mac の設定
ここしばらく,先日購入した MacBook Pro の設定をやっていた.Mac を本格的に使うのは学生時代以来で,もう随分になる.また,仕事の関係上どうしても LaTeX を使う必要があるのだが,LaTeX をインストールするときはいつも同じようなところではまるので(特に ghostscript まわり),後々のため,設定作業ではまったことをメモすることにした.なお,マシンのスペックは,MacBook Pro (Intel Core 2 Duo) + Mac OS X (ver. 10.5.6) である.
以下では,Safari, Mail.app, Finder, トラックパッドの設定を少々,また,今回インストールした,Emacs, LaTeX, ghostscript, gs ビューワ(ghostview, gv 等),X11, 等についてメモしておく.
なお,今回,特に以下のサイトの記述が参考になった:
以下の記述で,もし間違い等ありましたらご指摘いただければ幸いです.
トラックパッドの設定
Dockの「システム環境設定」から,「トラックパッド」→「1本指の操作」の順で,「副ボタンのクリック」の項目をチェックした.これで,トラックパッドにおいて, Windows PC のマウスのような右クリックが可能になった.
Safari の設定
デフォルトでは,web ページのリンクのところにマウスオーバーしても,その URL が表示されない.そこで,Safari メニューバーの「表示」から,「ステータスバーを表示」をトグルする.これで,ウィンドウ最下部にステータスバーが表示されるようになる.その結果,たとえばカーソルをリンクにあわせると,その URL がステータスバーに表示される.
Firefox のインストール
Safari もいいブラウザなのだが,やはり使い慣れた Firefox とそのアドオンの環境は捨てがたいので,Firefox を改めてインストールした.アドオンはごく基本的なものばかりで,以下のものを使っている:
- All-in-One Gestures
- Greasemonkey (+AutoPagerize)
- Hatena BookmarkS
- earchStatus
- Tab Mix Plus
Mail.app 関連
Mail.app によって送られるメールは,RFC 2646 に従い,強制的に "format=flowed" となる.ところが,RFC 2646 に対応していないメーラでこのようなメールを読むと,余計な改行が入ってしまい,大変見づらい表示になる (Thunderbird などは, RFC 2646 に対応しているので問題ない).私のメインマシンは Debian etch で,普段は Emacs 上の Wanderlust (バージョン 2.15.6) でメールを読み書きしているのだが,この Wanderlust はまだ RFC 2646 に対応していないようだ.そこで,Re: Support for RFC 2646 / format=flowed: msg#00063 のページを参考にして, flow-fill.el を入手し,Debian の Wanderlust の設定を追加した.
Finder の設定
http://www.osxfaq.com/DailyTips/02-2005/02-01.ws のページを参考にして,隠しファイルを Finder から見られるようにした.
また,/usr/local/bin/ ディレクトリを Finder から見る方法ではまった.これはよく知られた二つの解決策があるようだ.具体的には以下のとおりである:
- 方法1: ユーティリティのターミナルにおいて,コマンドラインに「open -a Finder /usr/local/bin」と入力する
- 方法2: Finder の「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選択すると,ウィンドウがポップアップするので,「/usr/local/bin」を入力する
Emacs のインストール
何と言われようと,私は Emacs がないと仕事にならない.Mac 上の Emacs として,Carbon Emacs パッケージをインストールした.まったく問題なくインストールできた.そして,Emacs をインストールしたときのお約束,M-x view-hello-file を実行して感動する.
また,Mac では,CTRL + Space (M-x set-mark-command) が Spotlight のキーボードショートカットに割り当てられており,これではリージョン指定が簡単にできない.そこで,「システム環境設定」→「Spotlight」で,そのショートカットキーを CTRL + Shift + Space に設定変更した.
X11 の更新
X11 は,デフォルトでインストールされているバージョンが 2.1.5 で古めだったので, http://xquartz.macosforge.org/trac/wiki/X112.2.2 のページから 2.2.2 をインストールした.
バックアップ
無難に,USB経由で外付けハードディスクをつないで,Time Machine でバックアップをとることにした.
- (2010年1月10日追記)Time Machine については,このような指摘もあるようだ.他の方法も検討してみた方がいいのかもしれない.
LaTeX のインストール
上記の How to install X and pLaTeX environments on Mac OS X のページが大変参考になった.
簡単にまとめると,小川先生のページから,「pTeX(sjis) + JMacoros package for MacOSX (ppc/intel)」をインストールした.特に問題なかったのだが,自分がいくつか行った失敗をメモしておく.
- 上記のパッケージにおいては,当然ながら LaTeX ファイルの文字コードは,Shift-JIS でなければならない
- PostScript への変換.いつもは dvips(k) file.dvi として file.ps を得ているのだが,ここでは dvips file.dvi -o file.ps としなければならない.馬鹿のようだが,これではまった.
こういう状況のためにも,TeXShop のような環境をセットアップした方がよいのかもしれない.しかし私は,Emacs + AUCTeX という環境かあるいはターミナル環境を好むので,TeXShop はインストールしないことにした
- dvi を pdf に直接変換するには,dvipdfmx を利用.
未解決 /usr/local/bin/xdvi を,dvi ファイルに関連づけできない.これはできないような気がする?
(2010年1月10日追記)
- LaTeX で書いた数式をKeynote で利用するため,LaTeXiT をインストールした.URL は下記参照:
- LaTeXiT - Math & Science
- Page personnelle de Pierre Chatelier - LaTeXiT
開発環境(gcc等)のインストール
http://osksn2.hep.sci.osaka-u.ac.jp/~taku/osx/install_xcode.html の記述に従って,Apple Developer Connection (ADC) の online (無料) メンバーになり,Xcode 3.1.2 をダウンロードした(1GB近くあるので注意).これで gcc (4.0.1) 等の開発環境が整った.
ghostscript, gs ビューワのインストール
Ghostscript, Ghostview and GSview のページから,GPL Ghostscript 8.63 をインストールすることにした.また,GS プレビューワについては,上記小川先生のページから,「GS Previewers set for pTeX with X11 (ppc/intel)」をインストールし,特に問題はなかった.
苦労したのが,GPL Ghostscript 8.63 である.このインストールに際してはいろいろと試行錯誤したのだが,以下のページを参考にして,ようやく成功した:
- Ghostscript のインストール(Mac OS X 10.4 Tiger)
- Ghostscript 8.60 を CentOS 4 にインストール、cups 経由で RICOH のプリンタに印刷 - k3k1::log
基本的には(バージョンや環境は違うものの)上記のページに従えばよいと思う.その内容と重複するのだが,自分ではまった点について下記に記録しておきたい.なお,以下では簡単なメモにとどめておくので,その詳細については,上記の二つのリンクをあわせて参照されたい.また,下記項目は,環境によっては不要になったり間違いがあったりするかもしれないので,注意されたい.
- Ghostscript 8.63 には zlib 1.2.3 が同梱されているので,特に zlib-1.2.3.tar.gz をダウンロードする必要はない
- 欧文フォントファイル ghostscript-fonts-other-6.0.tar.gz, ghostscript-fonts-std-8.11.tar.gz をダウンロード (Ghostscript のインストール(Mac OS X 10.4 Tiger)参照).
- Ghostscript のコンパイル
./configure の実行の際に,「--disable-compile-inits」 オプションを忘れないこと! こうしないと,初期設定ファイルの変更が反映されない.これで随分はまった (Ghostscript 8.60 を CentOS 4 にインストール、cups 経由で RICOH のプリンタに印刷 - k3k1::log参照).
- /usr/local/share/ghostscript/fonts フォルダに,上記欧文フォントを展開したものをコピー (Ghostscript のインストール(Mac OS X 10.4 Tiger)参照)
- fonts フォルダの URW フォントは変更した (Ghostscript のインストール(Mac OS X 10.4 Tiger)参照)
- Fontmap.GS の書き換え (Ghostscript のインストール(Mac OS X 10.4 Tiger)参照)
- 日本語フォントのインストール
CIDFont ディレクトリにおけるヒラギノフォントへのシンボリックリンクについては,私の環境に合わせて,以下のようなリンクを張った.
- HiraMinProN-W3 → ヒラギノ明朝 ProN W3.otf
- HiraMinProN-W6 → ヒラギノ明朝 ProN W6.otf
- HiraKakuProN-W3 → ヒラギノ角ゴ ProN W3.otf
- HiraKakuProN-W6 → ヒラギノ角ゴ ProN W6.otf
(Ghostscript のインストール(Mac OS X 10.4 Tiger)参照)
- 上記項目にあわせて,cidfmap も書き換えた (Ghostscript のインストール(Mac OS X 10.4 Tiger)参照)
- Font.tar.bz2 をインストール (Ghostscript のインストール(Mac OS X 10.4 Tiger)参照)
- /usr/local/share/ghostscript/8.63/lib/gs_res.ps の,/FontResourceDir, /GEnericResourceDir にパスを設定する (Ghostscript 8.60 を CentOS 4 にインストール、cups 経由で RICOH のプリンタに印刷 - k3k1::log参照)
- ひょっとしたら,環境変数 DISPLAY を設定しないといけない場合があるかもしれない(_X11TransSocketINETConnect() can't get address for ... などといったエラーメッセージを出力して ghostview, gv が起動しないことがある).この場合は,明示的に DISPLAY を設定する.sh 系統では,「export DISPLAY=":0.0"」,csh 系統では,「setenv DISPLAY ":0.0"」とすればよい
追記
- MacPorts をインストールした(2009年4月16日)./opt/local/bin, /opt/local/sbin 等を PATH に加えるのを忘れずに.MANPATH も同様.
- ウィルス対策として,ClamXav をインストールした(2009年4月25日).
- Quicksilver (http://www.blacktree.com/) をインストールした (2009年7月9日).
- Mac OS X のセキュリティ,プライバシの設定の tips については,下記リンクが参考になる(2009年11月27日):
10 Security and Privacy Tips -- Mac OS X Tips
- 新たに購入したMacBook Air は,バックスラッシュが円マーク(¥)入力になる.emacs 等,バックスラッシュを入力したい場合は多々あるので,KeyRemap4MacBook を用いて,キーボードの「ろ」をバックスラッシュに設定した.しかし,いま気づいたのだが,X11のターミナルでは,バックスラッシュ入力ができない.ざっと調べた限りでは,バックスラッシュ入力はいろいろと微妙な問題があるようであり,正直言ってよく分かっていない.今後もう少し調べていかなければならない.(2010年1月10日)
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