ブログを始めるにあたって - 継続は力
ブログを始めるつもりになったのは,いくつかの理由がある.一つめはもちろん,ブログに関する話題をいろいろなところで目にすることが多くなったということだ.ミーハーと言われようが流行に流されると言われようが,それがよいものであれば貪欲に試していきたい.人生は一度しかないのだし,できることは何でもやっておきたい.
もう一つの理由は,英語その他の勉強,あるいは何かのよい習慣を継続するために,備忘録として利用しようということだ.継続は力なりという諺は真実である.何でもよい,10年間やり続ければ,大抵の分野で一人前になれるだろう.どんな人のまわりでも,10年間こつこつと何かをやり続けた人はいるだろう.もちろん,あなた自身がそうであるかもしれない.そのような人のことを考えてみる,あるいはその人と話してみれば,10年間続けるということの重みや迫力ということが実感いただけるのではなかろうか.
継続は力なりという言葉で思い出すのは,井上ひさしの「本の枕草子」にある,以下のようなエピソードである.日本語の辞典として代表的なものの一つに,松井簡治の大日本国語辞典がある.彼は学習院大学の教授であったが,この辞典を完成させるために,1年に1万語 (1日あたり28語弱) のペースで語釈を書き続けた.ここで想像していただきたいのであるが,1年365日,毎日28語のペースで語釈をするというのは超人的なペースである.松井は,毎朝3時に起き,出勤前の5時間を語釈にあてた.しかし,これでも上記の平均ペースを保つのは困難である.解釈の難しい言葉に出くわせば,1語で数日かかってしまう.そこで彼は,休日は18時間も机に向かったということである.さらに驚くべきことは,彼はこのような生活を20年間続けたというのである.そして,とうとう20万語からなる辞典を完成するという大偉業をなし遂げた.彼は20年間ただの一度も酒を飲まなかったという.さらに,松井はこの辞典が完成してもなお改訂増補に執念を燃やし,45年の歳月を費やしたというのである.
非凡の人が非凡の努力を長い間継続して成し遂げた大事業.このエピソードを始めて読んだのは高校生くらいのときだったと思うが,震えるような思いがしたのを覚えている.
それから年齢を重ね,今までの自分が費やした年月を考えてみれば,正直な話,後悔や恥ずかしさを感じるところはある.しかし,高校生のときに比べれば世故にも長け,松井のようなわけにはとてもいかないものの,休み休みであってもとにかく継続することの重要性も実感するようになってきた.このブログは,自分が継続しようと思ったことを,実際にどれだけ実行できているかを確かめるための備忘録として利用していきたい.失笑される内容になるかもしれないが,あえてブログとして公開することで,それがよいプレッシャーになるかもしれない.まずはブログをどんな形であれ継続していこうと思う.継続は力なり.
そういうわけで,ブログを始めようと思い立ちました.皆様今後ともよろしくお願い申し上げます.
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