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Make a dent in the universe

「iPod を作った男」(大谷和利著,アスキー新書)を読み終えた.本書は,Steve Jobs の人間的魅力に焦点を当てながら,iPod など,快進撃を続ける Apple 社について解説するものである.良書だと思うが,ネットには本書の優れた書評がいろいろとあるようなので,ここでは書評はしない.そのかわりに,自分のため,Steve Jobs の言葉についてメモしておきたい. 本書の 150 ページから引用する: スティーブ・ジョブズは,“Make a dent in the Universe” (宇宙に凹みを作る) というスローガンも打ち出していた.「ほんの少しでも良いから,この宇宙に影響を与えたと言えるようなことをしよう」という意味である. これは,自身が関わる製品についての Jobs の哲学ともいえるだろうか.この言葉に大きな感銘を受けた.ただ,より詳しいコンテクストを知るためにネットでいろいろ調べてみたのだが,あまり満足できる情報は見当たらないようだ.とりあえずここでは,比較的詳しい文が記載されていたブログ記事「 A Dent in the Universe 」「 Making A Dent In The Universe 」から引用しておきたい. We're here to make a dent in the universe.  Otherwise, why even be here?  We're creating a completely new consciousness, like an artist, or a poet.  That's how you have to think of this.  We're rewriting the history of human thought with what we're doing. 私は,今の自分の仕事や,趣味の一つとしてブログを書くことが,とても好きだ.それらは好きでやっていることであって,世界を変えるというのもおこがましい.しかし,それらによって,世界や自分が少しでもいい方向に変わればいいなという思いはある.とてつもなく小さく,すぐに元に戻るような凹みであっても,繰り返し行うことによって,確固とした良い凹みを作ることができたら,どんなに幸せな人生だろ...

ポラロイド写真と福山雅治の Squall

このブログは時期を外した話題に触れることが多く,恐縮するのだが,やはりこの話は書いておきたい. ポラロイド社が,今年の夏にインスタントフィルムの生産を中止するということである. ポラロイド、インスタントフィルムの発売を今夏に終了:ニュース - CNET Japan http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20367968,00.htm 残念なことである.ただ,上記の記事によれば,ポラロイドは,デジタルインスタント製品の開発も行うとのことである.今後どうなっていくのかは分からない. 誕生日会やパーティなどでポラロイド写真を撮り,それにマジックでメッセージを書き込んだといった経験を,多くの方がお持ちのことだろう.私も,ポラロイド写真といえば,今までの人生における様々な楽しかった場面を思い出し,懐かしい感じがする. そして,ポラロイドといえば,福山雅治作詞作曲の「Squall」という曲を思い出す. Squall http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=65491   (うたまっぷ) 個人的なことになるのであまり書かないが,この曲には本当に思い入れがある.この曲は,松本英子が歌ったものが一般的には有名なのかもしれない.しかし私は,福山雅治自身が歌った曲の方が好きだ.そして,この曲を聴くとき,そのポラロイド写真のくだりになると,自分のいろいろな思い出が呼び起こされ,しみじみ共感してしまうのである.多くの人にとってポラロイドとは,そういう思い出に結びつくものなのではないだろうか. アナログからデジタルへというのは世の中の流れだろう.ポラロイドのインスタントフィルム生産中止というのも,その流れの一つに過ぎないのかもしれない.私としてはただ,Squall の歌詞におけるポラロイド写真のニュアンスが忘れ去られるとしたら,淋しくなるなと思うばかりである.

Google に関する雑感

既に過去の話題になってしまったが,10日ほど前,ウェブリブログが Google 検索に引っかからないような状態だったようだ.今は復旧した模様である.この件に関するウェブリブログの運営のアナウンスは,以下のとおりである.ただ,原因についてはよく分からない. (2/7)Googleの検索結果に表示されない★復旧しました★ http://info.at.webry.info/200802/article_4.html 私はまめにアクセスログをチェックする方ではないので気付かなかったのだが,確かに2月4日あたりから数日間アクセスが明らかに減っていた.通常の2/3程度くらいのページビューになっていたようだ. ざっとウェブを見た限りでは,この件はちょっとした話題になっていたようで,上記の運営ページのトラックバックやコメントを見るだけでも,ユーザの皆さんの混乱の様子がうかがい知れる.Google 検索が現在のウェブに如何に大きな影響を及ぼすかということを,改めて実感させられる. そこで,ちょっと気になったので,現在の検索エンジン各社のシェアについて調べてみた.おそらく,最も新しい調査は下記のものだろう. [PDF] Nielsen Online Announces December U.S. Search Share Rankings http://www.nielsen-netratings.com/pr/pr_080118.pdf このレポートは,Nielsen が今年の1月18日に発表したもので,2007年12月のアメリカの検索エンジン各社のシェアに関する調査である.その一部を抜き書きしてみると,以下のようになる. 検索エンジン 検索回数 (単位: 1000回) シェア 1 Google Search 4,062,536 56.30% 2 Yahoo! Search 1,273,688 17.70% 3 MSN Live Search 995,899 13.80% もちろん,この調査の正確さについては議論があるかもしれないが,少なくとも傾向はつかめるだろう.ただし,日本におけるシェアは異なっているのではないかと思われる. 上記の表で明らかなように,Google, Yahoo!, MSN Live の上位3社でほぼ90%近いシェアが占められている.その中でも,Google は...

孤独地獄 (芥川龍之介)

今日は別のエントリを書こうと思ったのだが,ちょっと気が変わったので. 某ブログのエントリで,「人生は楽しんだ者が勝ち」といった内容を読んだ.確かにその通りであろう.そのことについて反論するつもりはないが,こういったエントリを読むと,芥川龍之介の短編「孤独地獄」のことをときどき思い出す. 「孤独地獄」の主要な登場人物は,津藤と,禅寺の住職禅超の二人である.いずれも幕末の大変な通人で,特に禅超は,出家にもかかわらず酒色をほしいままにしてきたらしい.二人は,吉原の玉屋でひょんなきっかけで知り合ったのだった. ある日,津藤は,禅超の様子がおかしいことに気づく.そのこともあって二人はいつになくしんみりとした話をするのだが,その際禅超は以下のような話をするのである. 仏説によると,地獄にもさまざまあるが,およそまず,根本地獄,近辺地獄,孤独地獄の三つに分かつことができるらしい.それも南瞻部洲下過五百踰繕那乃有地獄(なんせんぶしゅうのしもごひゃくゆぜんなおすぎてすなわちじごくあり)という句があるから,大抵は昔から地下にあるものとなっていたのであろう.ただ,その中で孤独地獄だけは,山間曠野樹下空中(さんかんこうやじゅかくうちゅう),どこへでも忽然として現れる.いわば目前の境界(きょうがい)が,すぐそのまま,地獄の苦艱(くげん)を現前するのである.自分は二三年前から,この地獄へ堕ちた.一切の事が少しも永続した興味を与えない.だから何時でも一つの境界から一つの境界を追って生きている.勿論それでも地獄は逃れられない... 放蕩三昧で,遊びという遊びを極めた禅超が至った境地が孤独地獄だったのである. このエピソードが,私には強烈な印象となって残っている. 世の中にある,エピキュリアン的な姿勢に常に影のようなものが寄り添うのはなぜだろうか.快楽を尽くしても孤独と絶望の影は消えない.むしろ,快楽を求めるのは,孤独と絶望から目をそらすためであるかのようである. このような孤独というものは,無視できない重みをもって誰の胸にもあるようなものではないかと思われる.そう考えると,快楽よりも孤独のほうが人生の本質に近いのかもしれない.そんなことをふと思って,人間は哀しいと感じることがあるのである.

LaTeX メモ - 数式に関するいくつかの tips

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私が他人と共同で文書や論文を書くときは,LaTeX を使うことが多い(近年はどうしても MS-Word を使わなければならない状況が増えたが,それでもできる限り LaTeX を使うようにしている).その際,LaTeX に不慣れな人は,あまり適切でない LaTeX 文書を書くことがよくある.そこでこのエントリでは,特に数式に限定して,(散漫ではあるが) いくつか tips を書いてみたい.本ブログでは,LaTeX 関連エントリには比較的多くアクセスがあるので,こういうものにも需要はあるだろう.また,もし誤り等あればご指摘ください. 基本: AMS-LaTeX を使う まず,何はともあれ AMS-LaTeX (amsmath パッケージ) を使うことが重要である.一般的に言って,このパッケージを使うことにより,様々な数式を容易かつ適切に表現できるようになる. 通常,LaTeX がインストールされているシステムでは,AMS-LaTeX は同時にインストールされていると思われる.AMS-LaTeX については,以下の webページを参照されたい: AMS-LaTeX ウェブページ   User's Guide for the amsmath package (PDF) AMS theorem package user's guide (PDF) Short Math Guide for LaTeX (PDF) 特に,上記「Short Math Guide for LaTeX」は,amsmath パッケージについて要点を押さえつつ簡潔にまとめられており,17ページと枚数も少ないので,印刷してレファレンスとして手元においておくとよいと思う. なお,以下では,プリアンブルで \usepackage{amsmath} としていると仮定する. 行列表現には,array 環境よりも pmatrix, bmatrix 等の環境を使う 古くから LaTeX を使っている人は,行列を書くために array 環境を使うことがある.たとえば,以下のような記述である. \sigma_y = \left(   \begin{array}{cc}     0 & -i \\     i & 0   \end{array...

BIGLOBE トラベル「経県値」ブログパーツを試してみた

はてなダイアリー日記の「 「Last.fm」「Flickr」「Ustream」「BIGLOEBE 経県値」のブログパーツ貼り付けに対応しました 」というエントリで,「BIGLOBE 経県値」なるサービスがあることを知った.よそのブログサービス経由で BIGLOBE のサービスを知ったとは,我ながら間抜けなことである. BIGLOBE トラベル「経県値」 http://travel.biglobe.ne.jp/keikenchi/ 「経県値」は,自分が住んだり旅行したりしたことがある県をカラフルに表示できるブログパーツである.面白そうなので,早速試してみた.なお,住んだことがある県については秘密とさせていただきたいと思います. こうしてみると,けっこういろいろな所に旅行したのだと思う.個人的な旅行ばかりでなく,学会などでいろいろなところを訪れることができたせいでもある.上記地図で各県の色を塗り替えているときに,旅行した当時のことが思い起こされて,楽しいような懐かしいような感じがした.大げさに言えば,この図は私の今までの人生を表しているといえるのかもしれない.もちろんその詳細は私にしか分からないのだけれども. 印象深かったところは再訪してみたいし,また,なるべく早いうちに,未踏の県を旅行してみたいものだと考えている.

ブログを読んでくれた方々への感謝

はてな の 近藤淳也氏のブログ を読んでいると,大変感銘を受けることがある.数日前の話になるが,以下のような記述があるエントリがあった: ブログを読んでくれる人が100人いても、実際にコメントやブックマークをしてくれる人はせいぜい数名程度、ということはよくあります。でも、そもそも自分が書いた文章を最後まで読んでくれた、ということだけでも本当はすごいことだと思うのです。これだけ情報がたくさんある世の中で、ブログに来て読んでくれただけでもとてもうれしい、そういうことがもっと伝わるようになれば良いのになあ、という気持ちを込めてはてなスターをつけました。 はてなダイアリーの良さ 全くそのとおりで,これだけ膨大なコンテンツがネット上にある時代に,たとえ検索エンジン経由にせよ,自分の書いたブログをわざわざ読みに来てくれるというのは本当にありがたいことだと思う (なお, 総務省の調査 によれば,2006年3月時点で,日本のブログユーザは868万人になるという.もちろん,そのすべてがアクティブユーザということはないだろうし,また,一人で複数のブログを開設しているユーザも多いだろう.しかしながら,ブログを書きそれを読むという行為は,何百万分の一の確率での出会いと言っても間違いではないのかもしれない). だが,ブログの書き手が読者に対して感謝の念を表すことができるような技術というのは,あまりないのではないだろうか.逆の方向はさまざまなサービスがある.たとえば,上記のはてなスターもそういった技術だろうし,ブログの作者に対してポイントを送ることができるプロバイダもある. 一方で,ブログの書き手が読者に対して感謝の念を表す技術を考えるとしたら,単純にはいかないように思われる.このような技術としては,単純には,ブログを読んでくれた人に対し,いくつかのポイントを与えるようなものが考えられるだろう.そのようなサービスとしては,広告が最も分かりやすいかもしれない (たとえば, モバゲータウン では,広告サイトにアクセスするだけでいくらかのポイントを得ることができる).しかしながら,ブログのような個人メディアでは,そういったサービスは相性が悪いように思う.そもそも,ブログでは,そんなサービスに需要があるかどうかすら疑わしい.結局,ブログのエントリで読者に対して感謝の念を表明するしかないのかもしれない....